夢をみた。
台風は嫌いじゃなかった。
何故だか不思議と台風の日は外に出たくなる。
昨日も家にいれば良いのに外に出掛けた。
自分の中のソワソワ感が心をかき立てる。
台風の夜は家族と寝ると心を落ち着く
昨夜も頭を寄せ合わせ姉弟3人で寝た。
子供のときに貧乏で何も無く親の暴力と酔いに恐れながら
体を寄せ合わせ寝たときの感覚に似ている。
台風の過ぎ去った後はどちらかと言うと嫌いだ
濡れて散った葉や
折れて落ちた枝が散らばり
泥と混ざりあった河川に何処からか流れ着いたゴミ
台風後は街が汚れて感じる。
夢を見た。
もう夢から随分と時間が経ち忘れる記憶
忘れる前に記しておこを。
俺は病院らしき所の会計らしき前にいて、会計の準備をしている。
何処からかざわめき声がし、そちらに目をやると著名人らしき人物とその後に付き人らしき人物。
俺は目を奪われ呆然と立ちすくんでいた。
その前を著名人と付き人らしき人物が通り過ぎる瞬間
俺は財布を落とし小銭を床一面にばらまかせてしまった。
周りの視線は俺に向いた。
俺は恥ずかしさの余りすぐさま小銭を拾うためと
周りの視線をそらすためしゃがみこんだ。
著名人は俺の前を過ぎ去って行った
しゃがみこんで必死で小銭を拾っている俺の目に革靴が止まる。
それは、著名人の付き人だった。
彼の顔は窓の隙間から差し込む光が反射し俺には見えない
だけども中肉中背の黒い背広をビシッと着こなしている
30代~40代半ばの短髪の男性だった。
その人は何も言わず、小銭を拾い俺に手渡す。
俺の心の中で
いつか見たであろう韓流ドラマの挿入歌が流れ込む。
俺は一瞬で恋に落ちた。
何も言葉も交わさず
初めて会ったその人に心を奪われた。
ときめいた。
その人の唇がそっと開く
と同時に俺の目も覚めた。
久々に見た、心がキュンとする夢
そんな恋が今はしたい。
少しだけ夢のお陰で幸せな気持ちになれた。
台風後の晴れ渡る青空は好き。
透き通る青、心地よい風が頬にあたり眠りを誘う午後。
もう一度あの人に逢えるかと瞳を閉じる。
あぁ、そんな風に毎日ときめいていられたら幸せだろうな。
今日の蒼空は晴れ渡る澄んだ空です。